どの業種でも新人教育に関する悩みはつきものだが、中でも医療の現場では理想と現実のギャップが大きいことから新人教育が上手くいかないことがよくある。患者との接し方や医療行為の補助など、マニュアル一辺倒では対処出来ない事柄に対しての姿勢を学ばせるのが新人教育の重要なポイントだが、教育を受ける側がイメージとは異なる医療現場の実状に適応出来ないのが問題だったりする。
特に患者の身の回りの世話の一環である汚物処理は看護系の仕事にある清楚なイメージとはかけ離れた汚れ仕事なので、予備知識の無い新人によっては拒絶反応を起こす原因にもなってしまうようだ。イメージとのギャップが大きすぎると離職に至る可能性もあるので、早期の対処が不可欠になってくる。
新人教育の悩みを解消するためには実務経験の重要性を理解させるための工夫を惜しまないのが効果的だろう。教育を行う側が自身の新人時代を振り返り、失敗や悩みに対してどう向き合ったかを確認することが重要だ。似たような問題を経験したことが指導に説得力を持たせることにも繋がるので、恥ずかしい過去であっても隠さずに公開して接するのが新人が抱きがちな不安感を払しょくするための秘訣である。医療の現場は患者の命に係わる重大な仕事が多いので、大きな失敗を犯さないように細心の注意をもって臨むことが必要だ。その一方で過度な緊張や不安は失敗に繋がりやすいことから、教育をする側が自身の経験に沿って親身な対応を行うのが新人の成長を促す要素になる。